先代のあやめさんは有名ですよね。
あやめさんはどんな方だったのでしょうか?
(あやめさん人形を眺めながら)眼鏡の奥に光るものがあり、ピリッとした中に、本当のやさしさがある人でした。
あやめさんとの思い出はありますか?
(目を細めて懐かしそうにそして嬉しそうに。)それは、もう。話しても話しても、話きれません。先代のあやめさんには、「お客さん第一」の心から、包装の仕方、セローテープの止める位置など細かなところまで本当に多くのことを教わりました。
店長会の時などは、あやめさん自らが腕を振るって、ラーメン20人前をいっぺんに作ってくださったり。本当に心のこもった味わいがあり、私たち従業員のことも大切にしてくださいました。
あやめさんの存在は大きいですね。
もちろんです。私が今こうしてお客様の前に立てるのも、後輩の指導にあたれるのも、あやめさんとの出会いなしには語れません。私が大人になっていく過程で、親以上、先生以上にいろいろなことを直接指導してくださった。本当に感謝しても感謝しきれないです。


後輩にもあやめさんの話はされますか?
今、入社してくるスタッフはあやめさんを知らない世代になってきています。私たち直接あやめさんから指導を受けてきたベテラン社員は、若いスタッフにその教えを伝えていくことが役割だと思って日々指導にあたっています。
松前屋で接客することのやりがいはどんなところにありますか?
松前屋は老舗で店自体のお客様が多いですが、やはり私を頼っていらっしゃるお客様がいらっしゃるところです。
中元・歳暮の時期だけでなく、冠婚・葬祭に松前屋の昆布をお使いいただけるお客様も多く、その際にお客様の相談役として、接することができ、「ありがとう」と言っていただける瞬間は、お客様に役に立っている実感があります。
松前屋をやめたいと思ったことはありませんか?
(きっぱり)ありません。もちろんお客様からのお叱りもあったりしますが、怒っていたお客様に心を込めて接客することによって、またご来店してくださる。「この仕事をやっていて良かったなあ」と心から感じています。
接客について心がけていることはありますか?
百貨店の中は、ライバル店がいっぱいです。うちのような昆布屋が近くにあったり(苦笑)。だからこそ、お客様に顔を覚えてくれるように精一杯努力しないといけません。
例えば「いらっしゃいませ」ではなく、「おはようございます」「こんにちは」。「誰々さん お久しぶりですね」とか。簡単に思うかもしれませんが、この基本的なことが本当に大事です。
最後に一言
いくら良い商品を工場がつくっても、販売する私たちがお客様の立場に立って接客をしなければ、その良い商品がだいなしです。
「松前屋の商品はおいしいね」だけでなく「松前屋さんのスタッフは皆親身になってくれる」と接客がもっと評判よくなるように私も頑張りますし、後輩にも指導していきたいと思います。



